どうも、大学生のnashikuraです。
僕は現在国立大学の工学部に在籍しているのですが、ふとした瞬間に、理系ってマジで大変じゃない、っていう感情が湧きました。
特に周囲の文系大学生と比べると、体感は何倍の勉強している気がします。
そこでこの記事は、高校→大学受験→大学(院)→就活→社会人まで、文系と比較しながら、一般的な理系の人生を順番に追っていきたいと思います。
特に高校生以下の方に進路選択の参考になると思いますので、ぜひ最後までお読みください!
この記事では、理系の中でも特に理学・工学系について触れていこうと思います。
そして、僕の主観が含まれている部分も多いですので、そこはご承知おきください。
目次
高校
まず、一般的な高校では高1の段階で文理選択を行い、高2から本格的に文系理系が別のカリキュラムを進んでいくことになることが多いと思います。
そして、大学入試の制度上、ほとんどの理系の人は数学Ⅲまで勉強することになります。一方、文系は入試の範囲が数学Ⅱ・Bまでなので、ここで単純な勉強量の差がつきます。
この影響もあってか、僕の高校では、高3の時は理系は週のすべての授業のコマが埋まっていましたが、文系は週に2~3個の空きコマがある感じでした。
しかし、この段階ではそこまで大きな差ではないでしょう。
大学受験
ここからこの記事の本番になってきます。
仮に国公立大学を受験すると仮定します。
一般的な文系は、
・共通テストで、国・英・数ⅠA・数ⅡB・社会×2・理科基礎×2または理科×1
・二次試験で、国・英・社会×1
※東大などの一部の難関大は、社会が2つだったり、数学(ⅠAⅡB)もある
という入試科目の構成になります。
一方で一般的な理系は、
・共通テストで、国・英・数ⅠA・数ⅡB・社会×1・理科×2
・二次試験で、数(ⅠA・ⅡB・Ⅲ)・英・理科×2
※理科は、大学によって1のところもあったり、難関大だと国語もある
となります。
※詳細な科目構成は大学や学部によって異なりますが、中堅から準難関の国公立を想定しています。
そしてこれらを見てみると、
・理系は文系には無い数学Ⅲがある
・文系は二次試験が基本的に社会1つなのに、理系は理科が基本的に2つ
・共通テストは、文系は理科基礎が選択可能なのに、理系が選択できる社会基礎がそもそもない
など、明らかに理系の方が大変な部分があります。
そして、ここまでは文系科目と理系科目の難易度の差は考えていない状態でも、これだけの差が付きます。
しかし、これは賛否両論あると思いますが、社会1科目と理科1科目の難易度だったら、おそらく理科1科目の方が難しい、という人が多数だと思います。
実際、共通テスト(旧センター試験)の科目別の点数の推移を見ていても、理科1科目の点数の方が社会1科目の点数を下回っていることがほとんどです。
しかも、社会に関しては文系も理系も受けていますが、理科は理系しか受けないのにこの点数ということは、少なくとも共通テストレベルでは理科の方が難しいと言えるのではないでしょうか?
また、僕の実体験ではありますが、
物理は高3のはじめから約9か月間重点的に勉強してセンター試験本番が約6割でしたが、地理は約3か月前から少しずつはじめて本番ではちょうと8割でした。
平均点の差を考慮しても、一般的には理科1科目の方が難しいといえると思います。(社会と比較して安定しにくいと言われてますしね。)
何が言いたいかというと、文系と比較して理系は、勉強しなければいかない科目数が多いだけでなく、難易度も高くなる、ということです。
しかし、ここはまだ理系の人生の序章に過ぎません。
大学
大学生活は文系より理系の方が圧倒的に大変です。
もちろん学部学科にもよると思いますが、やはり一般的な傾向としてはそうです。
留年率も高く、真面目に勉強をしていても進級できないことも珍しくないレベルです。
(文系も一部の大学では留年率が高いですが、留学や就職留年など目的を持った留年や、ただただ遊んでいただけという理由が多く、しっかり勉強していたのに留年したという人はほとんど見たことがないです。←一部の地獄と呼ばれている学部学科を除きます)
理系が大変な理由としては、
・単純に授業が難しいので、単位を取るのが大変
・必修の授業が多く、ほとんどの授業を自由に選択できない
・実習や実験の時間が多く、そのレポートも大変
などが挙げられます。
以下が僕の工学部での実体験ですので、もしよければぜひお読みください↓
一方、僕は文系の大学生活を送っていないので周囲の話からにはなりますが、やはりほぼ全員が”大学は”ラクそうです。
部活やサークルに明け暮れたり、バイトでお金を稼ぎまくったり、旅行で日本中に行ったり、夜の街に頻繁に遊びに行ったりと、大学の授業以外の部分で忙しそうな人が多いです。
そして、理系は4年生で研究室に配属されて基本的には週5で大学に行って研究をします。毎日のように必死にデータを搔き集め、何度も何度も失敗を繰り返しながら、卒論を完成させていきます。
一方文系はというと、ゼミ(理系でいえば研究室)が週1回の半日のみ、というところが多いと思います。(←これはマジで羨ましいです………)それまでに単位を取りきっていれば、大学には週1回しか行かなくてよく、後は卒論を書くだけです。
(もちろん卒論も大変だとは思いますが、毎日のように学校に行かなくていいのはラクだと思います)
さらに、僕は国立大学在学中なのであまり実感していませんが、私立大では学費も文理で異なります。
多くの私立大学では、理系(理工学系)の学費は文系の少なくとも1.5~2倍はかかります。
詳しくはこちらをご覧ください↓
そして、大学院にも行けば、さらに少なくとも+100万円以上はかかます。
このように、大学生活は、文系と理系のギャップがかなり大きくなる部分でしょう。
大学院
上位の大学であればあるほど、理系は大学院(修士課程)に行くのがデフォルトになると思います。
実際、院に行かないと、一人前の理系として認めてもらえないこともある、という話もよく聞きます。
それもあって、それほど行きたいわけではないけど、教授陣や周囲に誘われてしぶしぶ進学する人も多いと聞きます。
そして、学部4年の研究室と同様、週5大学に行って研究を少なくとも2年やっていきます。週5はまだマシな方で、中には週7で通わせるところや、深夜まで居残りさせられるブラック研究室もあるらしいです………
修士論文の審査も、学士論文と比較して各段に厳しいので、しっかり研究をし、成果も出せていないと修了させてもらえないこともあります。
そして、これだけ頑張って修了して院卒の称号をもらっても、ほとんどの企業の初任給は学部卒の3年目の社員と同じか、それに少し毛が生えた程度です。
さらに博士課程(修士課程のあとの3年)に進学する場合は、もっと大変です。
まず博士論文は修士論文と比べて桁違いに難しく、3年で修了できない人も続出するみたいです。
また、国の支援制度もまだまだしっかりしておらず、経済的に苦労する学生も多いです。
そして一番悲惨なのが、これだけ博士課程で頑張って(本当に血反吐を吐くくらい)きたのに、就職にかなり苦戦する人が多いです。
一般企業は年齢的な部分(浪人留年なしのストレートで修了しても27歳)もあってか、採用にはかなり慎重になります。
また、研究職であれば、大学のポストドクターや公的な研究機関などもありますが、それらの待遇は決して良いと言えず、何年も一般的な大卒の初任給以下で生活せざるを得ない人も少なくないようです。
就職活動
ここは、理系が少しだけ文系を上回る部分だと考えています。
就活は、一般的には理系の方が有利と言われています。
理由としては、
・学校推薦、教授推薦がある
・理系の方が割合が少ない上、専門性が求められる仕事が意外と多い
・倍率が低い(文系職は文理どっちからでも就けるが、理系職は専門を学んだ人ではないと就けないため)
などが挙げられます。
確かに僕の周囲の理系(地方国立レベル)でも、学校推薦で誰もが知る企業に内定をもらった人が何人かいますし、就活を1カ月しかしてないのに大手企業に内定をもらった人もいます。
おそらく文系であれば、同じ企業の文系職志望であれば、就活準備期間も結構必要で、選考の倍率、難易度、回数なんかも全然違うと思います。
つまり、同じ企業であっても、文系の方が理系より採用選考の難易度が高いということです。
ちなみにこちらのサイトによれば、
愛知県に本社を置く大手自動車メーカーT社は、それぞれの採用倍率が
・技術系(理系のみ):約20倍
・事務系(文理問わず):約40倍
です。
一方、これは専門分野内で就職をするという点での話で、専門分野外での就職だったり、文系と同様に事務系などを志望する場合は、結構ハードになります。
ただでさえ忙しい授業も合間を縫って、インターンシップや説明会に参加したり、エントリーシートやWEBテストもやらなければなりません。
ただ、大は小を兼ねるというように、文系就職をする理系は意外と多いですし、僕も今現在就活生ですが、文系寄りの職も結構見ている状況です。
実際に選考においても、理系だから○○という力を大学で身に付けて、入社後は○○に貢献できる、ということをしっかりアピールすれば、文系に負けない就活ができると思っています。
社会人
就職してからも、文系職と理系職ではかなり状況が異なると思います。
職業によってまちまちだとは思いますが、工学部出身の技術職(メーカーが多い)であれば、勤務地が田舎になる可能性が高いです。(情報系とかは別だと思います)
東京や大阪に本社がある大企業でも、技術職の主戦場となる工場や研究所などは都会から結構離れた場所にあることが多いからです。
文系の総合職は、最初は全国各地の営業所等に配属になる可能性が高いですが、やがて本社や主要な支店がある都会が勤務地になることがデフォルトみたいです。
しかし、理系の場合は、経営陣や技術職を統括する上のポジションに行かなければ、なかなか本社で勤務する機会がないと聞きます。実際、特に大手の電力や建設などの理系出身の社員の割合が高い業界でも、役員は文系出身の人が半分以上を占めている企業が多数です。
まあ、これは完全に企業や職種によるので何とも言えませんので、あくまでも一般的な傾向です。
特に若いうちから都会でバリバリ働いて、人脈を作ったり、出会いを増やしたい人にとったら辛い部分はあるでしょう。
また、大学(院)までは専門分野の勉強や研究を頑張って、技術職のポジションに就いたからと言っても、初任給も文系とほとんど同じ企業が多いです。(院卒でも、入社3年目の社員と同じ企業が多い)
事務系など主に文系出身が行う仕事と技術系の理系出身が行う仕事は、どっちが上とか、どっちが楽とかはないと思います。
そして、日本の新卒採用は主にポテンシャル採用で、たった数回の面接やWEBテストで学生の本当の能力は測れないので、初任給も同じ設定にするのも仕方ないと思います。
しかし、特に世間で理系離れが叫ばれている現状、理系をもう少し優遇してもよいのではないか、というのが僕の意見です。
(学費も、私立や大学院であれば理系の方がかかっていますしね。)
そして、すべての過程を通じて、女性比率が圧倒的に低い
周知の事実だとは思いますが、理系は、高校→大学(院)→就活→社会人のすべてを通じて、女性の比率が圧倒的に低いです。
・高校では、理系クラスが女性約1~3割(共学の場合)
・大学では、工学部のひどいところだと女性はガチで0.5割(5%)もいない
・大学院ではもっと顕著
・社会人になってからも、理系の職場であれば女性はかなり少ない
という感じです。
一方、文系(特に大学生)は常に周りに女性がいます。
普段の講義室やゼミ、インターンシップでも、理系よりは圧倒的に女性が多いです。
理系は、講義室はいつも男臭い、研究室はもっと男臭い、インターンシップでも女性が一人いるだけで珍しいです。
この環境は”理系の宿命”と言ってもよいとは思いますし、別に僕はこの環境は嫌ではないですが、やはり文系の人のキャンパスライフを遠くから眺めているとなんだか悲しくなってきます………
それに、僕は男性なのでまだ大丈夫ですが、男性から見て、女性で周りの同性がほとんどいない環境ってかなり過ごしづらそうな気がします。
僕は結構マジで今までの人生で同世代の女性とまともに話したことないので、本音はどうか分かりかねますが、もし逆に僕が周りに異性しかいなかったら、絶対に過ごしにくいと思います。
まとめ(特に高校生以下の方へ)
理系は文系に比べて、
・大学受験の段階で既に勉強が大変
・大学では、実験や実習、研究など、もっと大変になる
・私立大学では学費が高い
・大学院進学がデフォルトで、辛い思いをする人も多い(学費もかかる)
・就職してからも、勤務地で苦しみやすい
・すべてにおいて、女性が少ない
といったところでしょうか?
高校生以下で、これから理系に進もうと考えている方は、少なくともこの記事に書いてあることは覚悟しておいた方が身のためです。
脅しているわけではありませんが、理系で学問がある程度好きな僕でも、大学3年の時点で辛いと感じる部分は正直結構多いです。
そのため、なんとなく大学で理系に進学するのはやめておいた方が良いです。
もしなんとなく理系を選んで、特に理系の学問に興味がないのであれば、大学受験前の段階なら文転がおすすめです。また、理系の科目で受験できる文系の学部学科や、文理融合の学部がある大学も最近は増えてきましたので、そちらの受験も検討されるとよいでしょう。
また今回は、理学・工学部にフォーカスして書きましたが、医学系や農学系などの他の理系学部はまた違った特徴があると思います。
医療系(医学科や歯学科以外)や農学系や数学Ⅲ無しで受験できる大学も意外と多いため、数学のウエイトを減らしたいのであれば、そちらもぜひご検討されるとよいでしょう。
この記事が少しでも進路選択や受験の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました!